匿名掲示板での誹謗中傷は昔は有名税的な位置づけで、相手にしないことが一般的でしたが現代においては、民事訴訟の対象となり賠償を請求を認める判決が次々と下されています。また、匿名掲示板の匿名は本当の意味での匿名ではありませんので注意しましょう。
弁護士に相談した場合の費用の目安
匿名掲示板での誹謗中傷やブログやSNSでの投稿は、書き込んだ犯人を特定することが可能です。弁護士がサイト運営者に開示請求を行った場合、ほぼ確実に書き込んだ人間の情報開示が成されます。個人情報の保護の観点を考慮する部分があると高をくくる方がいらっしゃいますが、サイト運営側が開示を拒んだ場合でも、弁護士が開示請求の裁判を起こした場合、そのほとんどが開示されることになります。因みに情報公開に弁護士費用は約10万円ですので、大体10万円を出せば相手がわかるということです。また、相手が特定されて誹謗中傷の裁判となりますが、大体の場合は弁護士費用の目安が45万円前後で、勝訴、若しくは和解した場合は弁護士報酬として相手から賠償された金額の16%程度が費用となります。
通常は、誹謗中傷を行った側はほぼ裁判で勝つことはできませんので、民事訴訟の裁判になる前に和解で解決することが常のようです。この場合平均的に和解の金額は150万円程度で、民事訴訟に発展した場合、賠償命令で375万円の判決が出た例があります。裁判所は判例に従う風潮がありますので、目安として裁判になれば400万円前後の賠償は考慮しておくと良いでしょう。
誹謗中傷と認められるための条件
誹謗中傷と認められるためにはいくつかの条件があります。まず単発の悪口ではダメです。つまり「バカ」とか「アホ」だけではダメなのです。「○○で××で△△した」のように複数のワードによる表現で複数の文章で構成されていないといけません。また、差別用語によるワードもダメです。
また、真実か虚実かによっても状況が違って来ますし、公益性があるか否かという点も重要です。公益性とは第三者が書き込みをみて、有益になる書き込みであれば、誹謗中傷にはならないのです。ですから真実で且つ、犯罪者の犯罪行為を暴く内容で、第三者が被害に遭遇しないような内容であれば問題はありません。
誹謗中傷の相手に対して、個人が特定されるものは誹謗中傷の対象になります。ですから当然相手の名前や組織、団体、商品名などを名指ししてもダメですし、イニシャルもダメです。文字の一部を〇等でで伏字にするのもダメです。匿名掲示板のスレッドの場合は、そもそも親記事が、対象を特定していますので、名称を記載しなくてもOUTです。
また注意する点としては、地名が入っていると特定と認識される場合があります。「〇〇市で××を行っている」という誹謗中傷は相手の名称を記載しなくても〇〇市で運営している方が限られている場合は特定と認められる可能性があります。
同様に、内容が単体で特定できるものも対象と認められるので注意が必要です。
ホストラブの運営管理者会社もバレています。
2002年頃から、ホストを中心に水商売や風俗関連に特化した匿名掲示板であったホストラブ(ホスラブ)も、運営管理会社が一般に知れ渡っている時代です。
誹謗中傷を投稿した人物の特定は、より確実に明確になった世の中ですので、そもそも誹謗中傷やヘイトスピーチ、ステルスマーケティングは行わないように注意するべきでしょう。