出張ホストやレンタル彼氏はトーク術、つまりお客様との会話やコミュニケーション能力が極めて重要な業種の一つと云えます。お客様がホストやレン彼を選んで、連絡を寄こしてくるきっかけは、容姿や顔立ちですが、いざ指名になるとやはりコミュニケーション能力にかかってくるのです。
会話の盛り上がりは「開かれた質問」である
「閉ざされた質問」とは、YESやNOで答えられる質問、若しくは選択肢の中から選んで答える内容の質問を差します。
「閉ざされた質問」では、回答に広がりがなく簡素に回答がまとまってしまいますので、会話を生業とする出張ホストやレンタル彼氏業には、あまり適した質問の仕方とは云えません。
出張ホストやレンタル彼氏は、回答に対して言葉で解答を行う「開かれた質問」形式で行うように心掛けましょう。
また、質問を単体で投げかけるのではなく、広がりを持たせるように、話題を広げていくことも重要です。
一つの事柄に対しての回答だけではなく、そこからの展開や感想などもお客様が話したくなるように質問を投げかけられるように出来るようにしてください。
「YES」か「NO」の質問に対して
閉ざされた質問で一見、「YES」か「NO」で解答するような質問でも、実は「YES」や「NO」だけが解答ではありません。
「YES」、「NO」の他にも「両方とも」、「両方とも違う」といった展開もある訳ですし、時間帯や条件によって解答が変化する事態もあり得る訳です。
これは、質問に解答するというだけではなく、出張ホストやレンタル彼氏の行動としても、常に求められることですから、凝り固まった思考に偏らず、柔軟な発想が求められる業界であることを理解しましょう。
それでは読者の皆様に例題として質問をします。
田んぼのど真ん中に、大手スーパーマーケットが1軒あったとします。
貴方は、そのスーパーマーケットのサービスカウンターの従業員になったつもりで解答してください。
サービスカウンターに、50代前後の日雇い労働者風の男性が、両手に大きな紙袋を持って現れました。
紙袋の中には、ビデオカメラが入っているのを、見て取れることが出来ます。
そこで、その男性のお客様が、こういいます。
「上の階から、全てのフロアのトイレを周ってきたが、障碍者用のトイレも含めて、全てのトイレの男子トイレが満員で長い行列が出来ていました。女子トイレの方は空いているようでしたので、漏れそうだから、女子トイレを使用して良いですか?」
と聞いてきました。
貴方なら、どう対処しますか。
ここで、「NO」「ダメ」と答えると、店内に汚物を漏らされる可能性がありますし、お客様のストレスもギリギリでしょうから、後程、クレームが入るのは必須です。
逆に、「YES」「ハイ」と答えると、今度は女性のお客様より、中年男性が女子トイレに入ってきたとクレームがくる可能性があります。
これは、紙袋をお預かりする、しないに関わらず、中年男性客が女子トイレに入ること自体を嫌がるからです。
では、ここで望まれる解答としては
「従業員トイレにご案内する」
が一番、当たり障りのない解答になります。
このように、出張ホストやレンタル彼氏は、業務の総てにおいて、選択肢を選ばなくてならない状態になっても、選択肢に拘らない行動を求められるのです。
質問を質問として終わらせない発想をもつ
疑問や問題に対する回答を求める質問や、お客様の思考やご意見、ご提案事項に基づく質問の他にも、質問を質問として、終わらせない発想を持つようにしましょう。
具体的に云えば、ご指名の終了時のお客様とお別れをする際に、質問を投げかけておけば、それは単なる質問ではなく、「次回のご指名時までの宿題」となり、次回のリピート指名に繋がる「営業」となるのです。
ここで、単なるたわいのない「質問」が、次回のご指名に繋がる「営業」になったことの重みを理解しましょう。
これが、出張ホストやレンタル彼氏として重要な才覚の一つなのです。