一昔前までは、匿名掲示板などに誹謗中傷を書かれても、有名税だと思って無視するのが一番と云われてきた時代があります。しかし現在では弁護士に相談して民事訴訟を起こす方が効率も成果も良いとされています。では、実際に民事訴訟が始まる予兆を説明していきます。
サイトやブログで裁判を起こす等と云わなくなる
本気で民事訴訟を検討して、弁護士に相談を始めた場合、誹謗された側のサイトやブログ、SNSで、「誹謗中傷には対処する」とか「弁護士に相談して犯人を突き止める」とか、誹謗中傷の書き込みを牽制する動きがなくなります。それは、弁護士から一切、誹謗中傷や裁判について話すなと口止めをされることが大きな由縁と云えます。
誹謗中傷の書き込みをした犯人を特定するために、開示請求を匿名掲示板に申請するのですが、申請中に削除されてしまっては、元も子もないからです。誹謗中傷を行っている相手に気取られずに、着々と準備を整えることが大前提なのです。
突然誹謗中傷の書き込みやスレッドが削除される
弁護士が誹謗中傷の書き込みした相手を特定すると、これまで存在が必要であった誹謗中傷の書き込みが不要になります。既に証拠として弁護士はデータを保存していますので、サイト上での誹謗中傷の書き込みは相談者にとって、マイナスにしかなりません。
従いまして、弁護士は情報の開示請求を行うと同時に書き込みの削除依頼も行っているのです。誹謗中傷の裁判には、複数回に渡る誹謗中傷の証明が必要になりますので、誹謗中傷の書き込みがごっそり削除されたら、訴訟が起こされる可能性が高いと云えるでしょう。
逆張りの叩きが削除される
誹謗中傷は、お互いが叩き合いを行う展開でよりヒートします。この誹謗中傷を行ったから仕返しを行うという行為ですが、逆に相手から自分も訴えられる可能性が伴うということでもあります。
ですから、民事訴訟を始めようと思った時は、自分も相手から訴えられないように、自分達が行ってきた誹謗中傷の書き込みは、悉く削除する傾向にあるようです。
以上３点が見受けられたら、本当に民事訴訟の可能性が高まっておりますので、注意が必要です。因みに、誹謗中傷の弁護士費用は４５万円程度で、弁護士が相手に和解を提示するのですが、大体１５０万円前後で和解するケースが多いようです。相手が和解に応じず裁判迄発展した場合は、別途弁護士費用がかりますが、これまでのケースで裁判所が３７５万円の賠償命令を出したケースがあり、それを判例と見るのが良いでしょう。
匿名掲示板自体を訴訟するケースも
誹謗中傷の書き込みが常習化している場合で、サイトの管理人が業務責任において適切に処置を行っていない場合は、匿名掲示板自体を訴訟するケースも可能かと思われます。
かつて、２チャンネルの管理人が複数件の訴訟を起こされ、逃亡をはかったケースは有名ですが、これは訴訟の裁判では、訴訟を起こした側が勝訴する可能性が高いと云えるでしょう。
ただ、逃亡を許さない為にも、「仮差押え処置」や「強制執行」などの処置をとって、２ちゃんねるのような失態をしないように、注意が必要です。
ホストクラブ関連や風俗、水商売での誹謗中傷が盛んであった匿名掲示板の運営管理者も既に判明しています。しっかりと相手の会社情報や経営者情報を把握して、言い逃れの出来ないように万全の下準備が必要です。
